ブロックチェーンについて2022

丹波市にあるコワーキングスペース「isoの家」を拠点とするオンラインサロンでメンバー同士の交流を狙った定例の勉強会があり、プレゼンターとしてお話させてもらう機会に恵まれました。
 →勉強会のページはこちらです。

どんな話題でも良いとのことで、思うところ有りて「ブロックチェーン」について次の3つの側面から紹介をしてきました。

  1.  ブロックチェーンとはとても優れた記録手段
  2.  仕組みが公開されていて、誰にも止められない
  3.  非中央集権でトラストレスという粋なコンセプト

かなり早口で話してしまいましたが、参加者から的を得た質問がたくさん出たので、興味を持って聞いていただけたのだと思っています。

仕組みや歴史に関する質問に対しては私見を含まずに正確な情報提供に努める一方で「それが自分たちの生活にどうか関わってくるのか」という質問には、僕のコンサバな見通しを伝えました。目にすることも耳に入ることも増えるだろうけれど、実際にお世話になるにはもう少し時間がかかるだろう、と思っています。

Web3やNFT、メタバースなど新しいものが次々と出てきて「これに乗らないと置いてかれるのではないか」という不安を煽られる時代です。早くからその波に乗って「億り人」になる人が目立つかもしれませんが、普通の生活をする人は自動車やインターネット、スマートフォンのように、便利に使えるようになったときに使えれば良いはずです。

そんな話をした翌週の9月26日にこんな新聞広告が打たれました。申請すればギネス級と言うほど”多数の”企業が賛同した広告でしたが、ブロックチェーンの事をよく知っている人ほど
「で、結局何ができるの?」
という反応をしていて、ここでは紹介しませんがかなり辛辣なツッコミ(正論)もいくつか目にしました。ケンカはお止し。

「ブロックチェーンを使って、Web3を実現します」と言うことは「このよく切れる包丁を使って、美味しい料理を作ります」に似ていて、そりゃあよく切れる包丁のほうが美味しいものはできると思うけれど、結局何を食べさせてくれるの?が大事で、手段でしかないブロックチェーンや包丁が前面に出ているのはあまり良い状況ではありませんよね。
なので「ブロックチェーン技術を使って」と謳うサービスに出会ったときには、それが「お刺身を超える何か」なのか、刃物の切れ味はあまり関係ない「野菜炒め」なのかをまず見極める必要があります。言いにくくても、それブロックチェーンじゃなくてもいいんじゃないですかと教えてあげる優しさが求められることもあるかもしれません。
上記の広告は、それが和食なのか中華なのかも見えない点で非難する人もいますが「この包丁でうまいもん食わせてやる」と言ってることに対して、僕はその包丁の素晴らしさを知っているので期待しようと思います。

10年以上前に生まれたブロックチェーンが、いよいよこれから世の中で有効活用される、、、気配がある、、、だったらいいな、、、そんな2022年なので、大きく派手なbuzzワードの波に慌てて乗るのではなく、まず核となる技術であるブロックチェーンについて学ぶことは手前味噌ながら有意義な時間の使い方だと思うのです。

当日使用したスライドはこちらです。
詳しく聞いてみたいと方がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。息継ぎなしで3時間くらいは話せます。